子宮内膜症 基本のき2 内膜症と不妊の関係
さて、子宮内膜症 基本のき2回目です。
子宮内膜症の二大症状は
「疼痛」、「不妊」です
その他に、過多月経、不正出血もみられます。
月経を重ねる毎に、月経痛が増強する
のも特徴です。
骨盤内の臓器表面に発生します。
好発部位は、ダグラス窩が一番多く
次に卵巣や子宮漿膜などの腹膜に発生します。
稀に、小腸や膀胱、尿管、臍部、肺(!)
などに発生することもあるようです。
(肺に出来ると、喀血や気胸といって肺に穴があく症状が出るそうです。
人体って…不思議ですね)
主な病態は、以下の3つが代表的です。
・腹膜病変(表在性)
・卵巣チョコレート嚢胞(卵巣病変、深在性)
・ダグラス窩閉塞(直腸膣中隔病変、深在性)
このうち
卵巣チョコレート嚢腫と
ダグラス窩閉塞のイラストご紹介します
この二つは疼痛が強く、自覚症状があることが多いです。
卵巣チョコレート嚢胞や、
免疫学的機序などによる腹腔内環境の変化は、
不妊の原因になると考えられています。
チョコレート嚢腫とダグラス窩閉塞は
疼痛が強いので発見されやすいですが、
(MRIやエコーで診断できます)
腹膜病変を中心とする
軽症の子宮内膜症は、なかなか気付かないために
なかなか妊娠しない、不妊を訴えて
病院に行き、腹腔鏡検査を行ったときに
初めて発見された!
などという事が多いようです。
子宮内膜症は、前回もお伝えしたように、
妊娠、出産年齢の女性に発生頻度が高く
子宮内膜症女性の20~40%に不妊症を伴います。
また、不妊女性の15~20%に子宮内膜症を合併します。
原因不明の不妊症女性に腹腔鏡検査を行うと
約20%程度に子宮内膜症の腹腔内病変が発見されるそうです。
なかなかに手強い病気ですね…
この妊活コラムの執筆者
関村 順一SEKIMURA JUNICHI
院長 鍼・灸・あマ指師