移植当日の鍼灸について|着床日に鍼をすればよいのか
移植当日の鍼灸について|「着床日に鍼をすればよい」と考える前に
当院には、
「着床日に鍼をすると着床率が上がると聞いたのですが」
というお問い合わせを多くいただきます。
たしかに、2002年にPaulusらは、胚移植の前後に鍼治療を行うことで、臨床妊娠率が高かったという報告をしています。
一方で、その後の研究では結果が分かれており、近年の大規模研究では、鍼治療が出生率を明確に高めるとは言い切れないという報告もあります。
そのため当院では、
「移植当日に鍼をすればよい」
という考え方ではなく、
その方の身体が、移植に向けてどのような状態にあるか
を見て施術方針を考えています。
当院が移植前後に見る身体のサイン
当院では、移植前後の方に対して、単に決まったツボへ鍼をするのではなく、
- 脈の状態
- 舌の状態
- お腹の硬さ、張り、冷え、へこみ、戻り
- 首・背中・腰まわりの緊張
- 胃腸の状態
- 睡眠や疲労の状態
などを確認します。
特に、これまでの臨床の中で注目してきたサインのひとつが、
舌の震えです。
当院では以前から、医学的には大きな問題が見つかりにくいにもかかわらず、良好胚を移植しても結果につながりにくい方の中に、舌に震えが見られる方がいることに注目してきました。
これは、すべての方に当てはまるものではありません。
また、舌の震えだけで妊娠の可否を判断するものでもありません。
ただ、身体全体の状態を見ていくうえで、重要な手がかりのひとつになることがあります。
当院でいう「着床鍼」とは
当院でいう「着床鍼」とは、
着床日に鍼をすることそのものを指す言葉ではありません。
当院では、舌、脈、お腹、背中などの反応を確認し、
移植前後の身体の状態に合わせて行う施術方針を、便宜上「着床鍼」と呼んでいます。
つまり、
「移植当日に来ればよい」
というものではなく、
着床に向けて整える必要がある身体のサインを見つけること
を大切にしています。
できれば移植当日ではなく、早めにご相談ください
移植前後の鍼灸は、着床に関わる身体の状態を整える目的で行います。
ただし、身体の状態によっては、1回の施術だけでは足りないこともあります。
たとえば、
- 冷えが強い
- お腹の張りや硬さが強い
- 胃腸が弱い
- 睡眠が乱れている
- 首・背中・腰の緊張が強い
- 採卵や移植を繰り返して疲れが抜けにくい
- 良好胚を移植しても結果につながりにくい
このような方は、移植当日だけでなく、少し早めに身体を確認しておく方がよい場合があります。
当院では、移植周期だけを見るのではなく、
採卵、移植、判定待ち、その後の経過まで含めて、身体の状態を確認していきます。
移植前後の鍼灸をおすすめしたい方
次のような方は、一度ご相談ください。
- 良好胚を移植しているのに結果につながりにくい
- 子宮内膜や血流が気になる
- 移植周期になると身体が緊張しやすい
- 胃腸が弱く、疲れやすい
- 冷えやお腹の張りがある
- 移植当日の鍼だけでよいのか迷っている
- 自分の身体の状態を一度きちんと見てほしい
移植前後の鍼灸は、
「着床日だけに何かをする」ものではなく、
着床に向けて、今の身体に何が必要かを見極めるための時間
だと当院では考えています。


