気と治す力
鍼治療に欠かせないのが経絡(けいらく)の存在です。経絡とは「気」の流れる道のこと。その中でも大きな道が十四本あり、十二の臓腑から1本ずつ(肝心脾肺腎etc)と任脈督脈と言って人体の正中線を流れるものが1本ずつあります。本などで見たことかある方も多いでしょう。
その「気」の流れをつかみ、気が道を外している場所を補修したり、詰まっている所を治したり、また流れがゆっくりな気の流れを速くするのが鍼治療です。
経絡はいつもきれいな状態が良いのですが、詰まりやすく、その先には気が届きません。気が届かないとそのうちに細胞を治す力が無くなり悪くなります。生み出された気の量が多いほど流れる量も多くなって病気になりにくいと解釈可能ですが、それでも詰まっていたり、漏れていたりすることもあるので補修が必要な方がたくさんおられます。
あなたもその一人かもしれません。気は免疫細胞のような気がします。全身の細胞に届くようにしていくことが病気にならない秘訣と思います。
また触診でいろいろと診ていけばその場所が分かります。脈や舌、腹などを診ることによりおおよそのあたりをつけ、その経絡を触り違和感を見つけることで治療できる点を発見します。それがいわゆるツボという場所です。
全員が同じ幅でツボがあるはずもなく触れないと生きたツボはわからずこれが属人的過ぎるゆえに西洋医学のような同じ結果を統計上有意に得ることが難しいです。
生み出された気の量が多いと先ほど触れましたがこれが正しく元気というものです。元気な人と普段から使う言葉でもわかるように表面上で気が充実していることを言います。気は先天的にご両親からもらいまたその後は後天的に食事から得ていきます。なのでご自身が変えられることに注目し、そこを改善していくようにしていきましょう。よく寝てよく食べてよく運動して精神を落ち着かせてなどそれを養生するといいます。不摂生が過ぎると病気になるのは養生を怠り気が不足したり滞ったりするからです。
鍼灸の治療はどの経絡の修繕が必要かを見極め、かつ養生が出来るように胃腸や足腰、肩背などの不調を治していくことで体を治す手助けをするものです。
当院は不妊治療を2003年から行っており西洋医学と共に東洋医学の目線でお身体の変化を手助けしています。
この妊活コラムの執筆者
関村 順一SEKIMURA JUNICHI
院長 鍼・灸・あマ指師