不妊症と子宮外妊娠② ~2つの症状と経過&治療法と鍼灸アプローチ~
子宮外妊娠についてお話ししてます。
今回は2回目。
症状と経過についてお話します。
症状は大きく分けて2つ。
一つは「卵管流産」
上記のような場所に着床してしまった場合、
最初は無症状、
後に少量の出血と完結的な痛みが起こる。(この症状はない場合もある)
その後、出血と自然止血を繰り返し、卵管内血腫が形成される。
卵管膨大部は太く、腫大しやすいため、症状の出現が遅い。
2つめは「卵管破裂」
卵管の破裂後、大量の出血と、急激な下腹部痛。
急性貧血。
出血はダグラス窩に貯留し、ショック状態になる。
卵管は細く、伸縮性が乏しいため、早期に(妊娠周期5~6週)破裂しやすい。
2つのパターンで症状と経過を前回お話ししましたが、
現在の医学では、その症状がでる前に気づく事が可能です。
正常妊娠の場合、妊娠5週ころまでには子宮内に胎嚢(GS)が認められます。
妊娠5週を過ぎて超音波検査により子宮内に胎嚢が見られない場合、子宮外妊娠の可能性を疑います。
子宮外妊娠が発覚した場合、様々な治療方法があります。
待機療法、手術療法、薬物療法。
それぞれメリット、デメリットがあります。
では、子宮外妊娠と分かった場合の治療方法についてお話します。
「卵管切除」
卵管ごと妊娠の部位を取り除く治療方法。
一番確実な方法ですが、
卵管がごと取り除く為、挙児希望のない場合、また卵管破裂や周囲への癒着がひどい場合に行われます。
子宮外妊娠依存症の心配がない、根治療法となります。
「卵管線状切開術」
挙児希望の治療方法で、卵管を切開して胎嚢を卵管より取り除く方法。
卵管を残す方法なので、挙児希望の人に行われますが、
まれに術後に繊毛遺残により子宮外妊娠依存症を引き起こすことがあります。
その場合は薬物療法を行います。
「MTX療法」
薬物療法で主に行われている方法で、メトトレキサートという薬を用いる。
これも卵管を残す治療法の為、挙児希望の場合に行われ、手術をせず保存的に治療を受けることができる。
デメリットとしては、子宮外妊娠時は保険が効かない事、副作用に注意が必要なことが挙げられます。
前でも少しだけお話しましたが、
子宮外妊娠を予防する施術も、Sekimura鍼灸院では行っています。
最後に、鍼灸ではどうアプローチしていくかについてお話します。
子宮外妊娠は子宮以外で受精卵が着床してしまう事をいます。
受精卵が子宮に運ばれる作用がうまく働かないのであれば、
その作用を鍼灸治療で助けてあげる事によって
子宮外妊娠を予防できると考えます。
受精卵が子宮に運ばれる作用は、
卵管の内側にある卵管上皮細胞の繊毛運動や、
卵管壁の蠕動運動によって行なわれています。
これらの運動を支配しているのが、自律神経です。
自律神経の乱れによる子宮外妊娠は、鍼灸治療によってそのバランスを整えてあげることで
効果は十分あると思います。
眠れない、緊張しやすい、暑くないのに汗をかく、胃腸の調子が悪い、などなど
普段あまり重要視していない不調は、
自律神経のバランスが崩れているサインかもしれません。
痛み止めや睡眠薬で解決するのもいいですが、
できたら根本から整えてあげて、見えていない(症状にはでていない)所もケアしてあげる事が、子宮外妊娠の予防にもつながると思います。
この妊活コラムの執筆者
関村 順一SEKIMURA JUNICHI
院長 鍼・灸・あマ指師