不妊症と子宮外妊娠① ~子宮外妊娠の特徴と3つの原因~
今回は子宮外妊娠についてお話ししたいと思います。
「子宮外妊娠」とは、受精卵が子宮以外に着床する事を言います。
下の図で説明すると、
①が正常な妊娠。
①以外は子宮外妊娠になります。
自然妊娠おいて子宮外妊娠が発生する確率は、1~2%、
体外受精による胚移植の場合はそれより高い、2~4%と言われています。
「子宮外妊娠」とはどんなものをいい、どんな種類があるかをお話します。
最初に話しましたが、上図・① 以外の場所に受精卵が着床したものを、子宮外妊娠といいます。
以下は、②~⑧の部位の名前です。
診断は、妊娠判定(hcgホルモン)が出ている状態で、
経膣超音波検査にて、胎嚢が子宮腔内に認められない時
また付属器領域に認められた時、子宮外妊娠と診断します。
原因は、大きく分けて3つ
①卵管の異常によるもの
上の図のように、クラミジアの感染や、子宮内膜症による癒着により、卵管内での受精卵の輸送が障害されてしまう場合、停滞した場所で着床する事で起こります。
②受精卵の輸送の異常によるもの
反対側の卵管で受精した受精卵が、いったん腹腔内へ排出され、反対側の卵管に遊走、着床してしまう。
わかりづらくてすみません。
上の絵は体外受精で子宮内腔に移植する際、受精卵が子宮体部を通り越して卵管内に迷入、着床してしまう図です。
③子宮の異常によるもの
子宮内の避妊具や人工妊娠中絶により、子宮内の環境が何らかの影響をおよぼし、
受精卵が卵管に着床してしまう。
ちなみに受精卵は通常、
卵管の内側にある卵管上皮細胞の繊毛運動や、卵管壁の蠕動運動によって
子宮へと運ばれていきます。
これらの運動を支配しているのが、自律神経です。
以前お話した→「自律神経とは?」
考えられる原因として3つ、お話ししましたが、
他にもこの自律神経の乱れによる、子宮外妊娠もあるのではないかと言われています。
クラミジアによる炎症は鍼灸治療での改善は難しいですが、
自律神経の乱れにより、受精卵がうまく子宮に運べない事に対しては、
鍼灸治療は効果があると思います。
他にも自分でバランスを整える方法を以前お話しましたので
ぜひそちらもご覧下さいね。
その②→症状と経過についてへ続きます。
この妊活コラムの執筆者
関村 順一SEKIMURA JUNICHI
院長 鍼・灸・あマ指師