50歳を迎えた患者さんから聞いた言葉
ある方が、紹介で来院されました。
紹介してくださった方からは、
「ここは女性の味方だから」
「不妊治療のことにも詳しいから」
そう聞いて来てくださったそうです。
ご本人は、最初からこう話されていました。
「年齢的にも、妊娠はもう難しいと思っています」
それでも通院を続けてくださいました。
身体が楽になること。
話ができること。
不妊治療のことを分かってもらえること。
そういう時間として、通ってくださっていたのだと思います。
半年ほど経った頃、その方は50歳になりました。
ある日、こう言われました。
「妊娠はもう諦めています。
でも、ここに来ると身体も楽になるし、話もできるので、これからも通おうと思っています」
その言葉を、今でも覚えています。
その後、しばらくして、驚く報告がありました。
「先生、妊娠しました」
自然妊娠でした。
もちろん、私はそれを簡単なことだとは思っていません。
年齢を考えれば、医学的にはとても厳しい状況だったと思います。
その後、胎嚢は確認されました。
しかし、残念ながら胎嚢の成長は続かず、妊娠継続には至りませんでした。
流産という結果になりました。
それでも最後に、その方はこう話してくださいました。
「妊娠できたから満足です」
私は、その言葉を今でも忘れていません。
この話を、
「50歳でも自然妊娠できます」
という意味で書きたいわけではありません。
年齢も、検査の数字も、医学的な判断も大切です。
そこを軽く見ることはできません。
ただ、人の身体や人生には、数字だけでは語りきれない時間があります。
だから私は、妊娠を保証することはしません。
でも、目の前の方の可能性を、こちらが先に決めつけることもしません。
身体側から見ると、まだ整えられることがあるかもしれない。
その方にとって、今できることは何か。
それを一緒に探していくことが、私の仕事だと思っています。
この妊活コラムの執筆者
関村 順一SEKIMURA JUNICHI
院長 鍼・灸・あマ指師


