ニューヨーク大学医学部を中心とする研究プロジェクトによって、皮膚を上回る大きさの新たな”器官”が見つかった
<ニューヨーク大学医学部を中心とする研究プロジェクトによって、皮膚を上回る大きさの新たな”器官”が見つかった>
器官とは、多細胞生物の体を構成する単位で、その形態を周囲と区別でき、全体としてまとまった機能を担うものをいう。これまで、ヒトの器官で最も大きいものは、体重のおよそ16%を占める皮膚とされてきたが、このほど、皮膚を上回る大きさの新たな”器官”が見つかった。
従来、結合組織と考えられていたが…
米ニューヨーク大学医学部を中心とする研究プロジェクトは、2018年3月27日、科学誌「「サイエンティフィック・リポーツ」で研究論文を発表。
「皮膚の下にあり、消化管や肺、泌尿器系に沿ったり、動脈や静脈、筋膜を囲んだりしている層は、従来、結合組織と考えられていたが、実は、体液を満たし、相互に連結し合う区画が、全身にネットワーク化されたものであることがわかった」とし、「これを間質という新たな器官として定義すべき」と世界で初めて提唱した。
体重のおよそ20%に相当する体液で満たされた間質は、強度の高いコラーゲンと柔軟性のあるエラスチンという2種類のタンパク質による網目構造で支えられており、臓器や筋肉、血管が日常的に機能するように組織を守る”衝撃緩衝材”のような役割を担っている。
また、注目すべき点として、体液の移動通路としての働きがある。この体液がリンパ系に流れ込むことで、いわば、免疫機能を支えるリンパの元となっているのだ。
かつての顕微鏡での解析方法では、観察できなかった
従来、顕微鏡での解析では、固定により生化学反応を停止させた組織が使われてきたため、間質そのものを観察することができなかった。固定によって、体液が流れ出て、体液で満たされていた区画を囲むタンパク質の網目構造が平たくつぶれてしまっていたからだ。
そこで、この研究成果に大きく寄与したのが、生きた組織を顕微鏡レベルで観察できる高性能なプロープ型共焦点レーザー顕微鏡(pCLE)だ。研究論文の共著者でもあるデビッド・カーロック博士は、2015年秋、この新しい技術を用い、患者の胆管でがんの転移を調べていたところ、胆管の内面を覆う粘膜下組織レベルにおいて、これまでの解剖学とは合致しない、相互に連結する空洞を偶然見つけた。
がんの転移や炎症などの研究に新たな道をひらく
さらに、ニューヨークのベス・イスラエル医療センターで膵臓の手術を受けた患者13名の胆管から生きた組織を採取して観察した結果、その画像からも同様の空洞が認められたという。
間質を器官と定義づけるべきかについてはまだ議論の余地があるものの、この研究成果は、従来、結合組織にすぎないと見過ごされてきた間質の機能や役割を改めて見直し、がんの転移や炎症などの研究に向けた新たな道をひらくものとして注目されている。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9844_1.php
newsweekjapan引用
みなさんこの記事ご覧になりましたか?
鍼灸を身体の治療に使っている僕としてはめちゃくちゃビックニュースなんです!
今まで実態の無い物として扱われイメージの共有が出来にくかった「三焦(さんしょう)」の概念が説明しやすく,いろんな方に理解されやすくなるかもしれません。
三焦の概念はざっくりwikipedia引用してみますと、
三焦(さんしょう)とは、伝統中国医学における六腑の一つ。大腸・胃・小腸・胆・膀胱は実体が理解できる腑であるが、三焦は、働きだけがあってカタチがないと記されているが実体はリンパ管である。
《中蔵経曰》三焦者。人之三元之気也。総領五臓六腑栄衛経絡内外左右上下之気。三焦通即内外左右上下皆通。其於周身灌體。和内調外栄左養右導上宣下莫大於此。
三焦は原気を擁しその原気は五臓六腑(裏)栄衛(半表半裏)経絡(表)のみならず全身すべてに行きわたる。三焦は全身に通じており原気は巡ってすべてを管理統括する。
《難行八難》諸十二経脈者、皆係於生気之原、謂十二経之根本也、謂腎間之動気也。此五臓六腑之本、十二経脈之根、呼吸之門。三焦之原、一名守邪之神、故気者人之根本也。
十二経脈は生気の原に係わっており十二経脈の根本をなす。腎間の動気とも云う。生気の原は五臓六腑の本、十二経脈の根、呼吸の門である。これは三焦の原で人の生命活動の根本である。
五臓六腑の本とは深リンパ系を、十二経脈の根は浅リンパ系を、呼吸の門はリンパ咽頭輪を云う。
《霊枢本輸編》腎合膀胱。膀胱者、津液之腑也。少陽属腎、腎上連肺、故将両臓。三焦者、中瀆之腑也、水道出焉、属膀胱、是孤之腑也。
腎は膀胱と表裏をなす。腎の力によって水穀より生じた過分な水分(津液)は膀胱に滲み入り貯えられ体外に排出される。三焦はクダの腑で腎(腰リンパ本管)から上って肺(静脈)に連なる。
三焦も腎の力によって流れ行き組織液の調節に係わるよって腎と膀胱に属す。三焦は生命の元である原気を擁し特別の腑とされる。
五臓六腑の一腑としての三焦は静脈のバイパスとして組織液の運搬に係わる。(中瀆之腑)
三焦の原気は免疫抗体作用と食作用をなす。
三焦は上、中、下焦に分布はするがそれらの生理とは何ら関係はない。
wikipedia引用
wikipediaではいきなり「リンパ管である」「静脈のバイパスとして組織液の運搬に係わる」と定義づけてますが、これは説明しがたいもの故の選ばれた言葉なんでしょう。
僕自身も「三焦は絶対にリンパ管ではないよね。体液に近いもので”気”が流れる為のベースになっている何かなんだよね。説明できないけれど」と説明できないものを説明する際に困っていました。
経絡と気の流れ、”邪気”という人間の自然治癒力を阻害しているものの関係を体感してはいるんだけれど、鍼治療を受けたことない方は理解できない世界だし、感じてくれる方も多いのですが感じない人もいるだろうし、多くの先人が遺してくれた書物に触れた時間の総量や体験の総量が基礎にあってから議論になるような話なので、科学の物差しの上では議論の対象にならないばかりか変人あつかいされるから嫌だなあという想いがあり、さわりしか話さなくていい、体験していただければという立ち位置を保っていました。
その点が西洋医学目線で教育を受けた人からしたら東洋医学に理解を示しにくいところだったんだと思います。新しい器官の発見が今後認知されて、中国医学の三焦に焦点が当たり、その研究と繋がり、気の世界が再発見されて病気の治療に応用されていくかを見守りたいと思います。そしたら協力できそうなんだけどなあと思っています。自分で治せることが多いから、国全体の医療費の削減にもなるしね。
なお、不妊治療の大きな問題は”炎症”の解決だと前々から言っていますが、本文中の
”注目すべき点として、体液の移動通路としての働きがある。この体液がリンパ系に流れ込むことで、いわば、免疫機能を支えるリンパの元となっている”
ここ大事だと個人的には思っていて、免疫異常と炎症との関係を鍼と灸と食事でいろいろ研究した結果、邪気や瘀血、ツボの圧痛などの動きと炎症はリンクしています。改善できればかなりの卵質改善と子宮の着床障害も改善できる見込みがあるきがします。
骨盤内の炎症は蠡溝(れいこう)のツボの圧痛が特徴ですよ。
関村順一
この妊活コラムの執筆者
関村 順一SEKIMURA JUNICHI
院長 鍼・灸・あマ指師