着床には免疫も関係している。私が「鍼による刺激」を大切にする理由

2026年11月7日

着床には免疫も関係している。私が「鍼による刺激」を大切にする理由

受精卵の質が良くても、必ず着床するわけではありません。

着床には、子宮内膜の状態やホルモンだけでなく、免疫の働きも深く関わっています。

免疫というと、風邪や感染症から身体を守る働きを思い浮かべるかもしれません。しかし、妊娠における免疫の役割は、それだけではありません。

子宮内膜にも免疫細胞が存在し、着床や妊娠初期の環境づくりに関わっています。

着床と免疫の関係|腸内細菌・胸腺・子宮内膜

免疫は、子宮だけの問題ではありません。

例えば、腸内細菌です。腸には多くの免疫細胞が集まっていて、腸内細菌は免疫の働きに深く関わっています。

また、胸腺という臓器は、免疫を担うT細胞が成熟する場所です。

一方、子宮では、子宮内の細菌環境である「子宮内フローラ」と着床の関係について研究が進められています。

また、子宮内膜に炎症が続く「慢性子宮内膜炎」は、着床不全との関連が報告されています。

このように、着床を考えるうえでは、受精卵だけでなく、身体の免疫の働きにも目を向けることが大切だと考えています。

鍼刺激は免疫に影響する? 医学論文から分かること

鍼による刺激が、神経を介して免疫反応に影響を与えることが研究で報告されています。

2021年に科学誌『Nature』に発表された研究では、マウスの脚に電気鍼刺激を与えることで、神経を介して全身の炎症反応が抑えられることが示されました。

興味深いのは、刺激する場所や強さによって反応が異なっていたことです。

また、2022年には、クローン病の患者さんを対象にした臨床研究で、鍼と灸を組み合わせた治療によって、腸内細菌や炎症に関係する指標に変化が認められたことも報告されています。

これらは、鍼の刺激が身体にどのように作用するのかを考えるうえで興味深い研究です。

SEKIMURA鍼灸院が「鍼による刺激」を大切にする理由

私は長年、不妊鍼灸に携わるなかで、着床に向けた身体づくりには、免疫の働きにも目を向けることが大切だと考えてきました。

免疫は、単純に高めればよいものではありません。必要なときに適切に働くことが大切です。

当院では、こうした考え方も取り入れながら、身体全体の状態を診て鍼治療を行っています。

この施術を、全身調整として皆様に行っています。

鍼による刺激が免疫や着床にどの程度影響するのか、まだ分かっていないことはあります。

それでも、鍼の刺激によって身体にさまざまな反応が起こること、その仕組みが少しずつ明らかになってきたことに、私は大きな関心を持っています。

良い受精卵を育てること。そして、その受精卵を迎える身体にも目を向けること。

私は、その両方を大切にしています。

SEKIMURA鍼灸院

参考論文|鍼刺激と免疫・腸内細菌の研究

1.鍼刺激と神経・免疫の関係

Liu S, et al.(2021)
A neuroanatomical basis for electroacupuncture to drive the vagal–adrenal axis.
Nature.

論文を読む(Nature)

2.鍼灸と腸内細菌・炎症の関係

Acupuncture improves the symptoms, intestinal microbiota, and inflammation of patients with mild to moderate Crohn’s disease.(2022)
eClinicalMedicine.

論文を読む(PubMed)

 

著者SEKIMURA鍼灸院 院長 

 

当院では、舌の震えに注目した「着床鍼」についても紹介しています。詳しくは「着床鍼とは? 私が舌の震えに注目した理由」をご覧ください。

着床鍼とは?舌の震えに注目した不妊鍼灸|SEKIMURA鍼灸院

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