東京呉竹医療専門学校で講師を続けて20年|臨床と教育の両方から見えること
東京呉竹医療専門学校で講師を続けて20年|臨床と教育の両方から見えること
少し手前みそな話になりますが、私は東京呉竹医療専門学校の鍼灸マッサージ教員養成科で、講師として授業を担当するようになってから、もう20年ほどになります。2007年でした。
採用された当時、講師陣の中には、著名な治療家、スポーツトレーナー、大学教授など、治療や教育の第一線で活躍されている先生方が多くいらっしゃいました。学校の公式ページでも、約40名の講師陣が治療・研究・教育など、さまざまな分野から授業を担当していることが紹介されています。
その中に自分が加わることになったとき、正直に言えば、とても誇らしい気持ちがありました。
ただ、講師として時間を重ねるにつれて、その気持ちは少しずつ変わっていきました。
「選ばれたことがうれしい」という気持ちよりも、「何を伝えられるか」「現場で本当に役立つことを伝えられているか」という責任の方が大きくなっていったのです。
鍼灸の仕事は、知識だけでも、技術だけでも成り立ちません。
目の前の患者さんの体をどう見立てるか。
その方の生活背景や不安をどう受け止めるか。
そして、専門的な内容を、患者さんにわかる言葉でどう伝えるか。
このすべてが臨床では必要になります。
教員養成科の授業では、現代鍼灸、古典、中医などの考え方を学び、さまざまな疾患や症候へのアプローチも扱われています。美容、不妊、スポーツ、介護、リンパドレナージなど、多彩な分野を知ることで治療の幅が広がることも紹介されています。
私自身も、長く妊活・不妊鍼灸の現場に関わってきました。
妊活のご相談では、単に「冷えを取ればよい」「血流を良くすればよい」という単純な話では終わりません。
月経周期、採卵、移植、ホルモンの変化、胃腸の状態、自律神経、睡眠、ストレス、日々の食事など、いくつもの要素を合わせて見ていく必要があります。
そして何より大切なのは、患者さん自身が自分の体を理解し、納得して通えることです。
専門家だけがわかっている状態では、よいケアにはなりません。
患者さんが「今、自分の体では何を整えようとしているのか」「なぜこの時期にこの施術をするのか」「自宅では何を意識すればよいのか」を理解できてこそ、施術の意味が深まります。
その意味で、教育の現場に立つことは、私にとって臨床の原点を見直す時間でもあります。
学生に教えるためには、自分の感覚だけで話すことはできません。
なぜそのように見るのか。
なぜその施術を選ぶのか。
どこまでが根拠のある話で、どこからは体質や経過を見ながら判断する部分なのか。
それを言葉にする必要があります。
この作業は、日々の患者さんへの説明にもそのまま生きています。
当院では、施術だけで終わらせるのではなく、お灸や食事、生活の整え方などもお伝えしています。これは患者さんに負担を増やしたいからではありません。ご自身の体に合うもの、合わないものを少しずつ見分けられるようになっていただきたいからです。
体質によって、合う食事や整え方は違います。
難しい特別なものではなく、日々スーパーで手に入るものの中から、自分にとってよいものを選ぶ力を育てていくことが大切だと考えています。
講師として20年ほど教育に関わってきたことは、私にとって肩書きというより、日々の臨床を支える土台です。
これからも、治療家として患者さんの体に向き合いながら、教育に関わる立場として、わかりやすく、実践につながる言葉でお伝えしていきたいと思います。
妊活中の方、不妊治療と並行して体を整えたい方、何から始めればよいかわからない方は、一度ご相談ください。
施術だけでなく、今の体に必要な整え方を一緒に考えていきます。
この妊活コラムの執筆者
関村 順一SEKIMURA JUNICHI
院長 鍼・灸・あマ指師



