不妊症は昔からあった?
昔からありました。
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生物学的には不妊(妊娠しにくい/できない状態)は古代から存在し、男女どちらの要因でも起こります。
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古代エジプトやメソポタミア、古代ギリシャ・ローマ、聖書や古典医学書にも「子ができない夫婦」とその占いや治療法の記述が出てきます。
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原因は今と大きく変わりません:
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女性側:排卵障害(例:PCOSと考えられる症状)、卵管閉塞(性感染症・産褥熱などの感染後)、子宮筋腫、子宮内膜症など
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男性側:精子数・運動率の低下、精索静脈瘤、性感染症や流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)後の精巣障害など
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昔は抗生物質や手術がないため、感染症による二次不妊(一度出産後に妊娠できなくなる)が特に多かったと考えられます。栄養不良や重労働、結婚年齢・産間隔などの社会条件も影響しました。
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対応も時代ごとに様々で、祈祷・薬草・薫蒸・子宮用の器具、里子・養子、代理的な制度(レヴィラト婚・側室・妾・離婚容認など)がとられました。
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どれくらいの頻度だったかは正確には測れませんが、現代の「妊娠を望むカップルの約1割前後が1年以内に妊娠に至らない」という目安に大きく外れない可能性が指摘されます(社会条件で上下します)。
要するに、不妊は「現代だけの新しい病気」ではなく、原因や社会の受け止め方が変化してきただけです。
この妊活コラムの執筆者
関村 順一SEKIMURA JUNICHI
院長 鍼・灸・あマ指師

