不妊治療でお金が続かないと悩んでいる方へ – 費用と時間をムダにしない方法

2016年3月28日

赤ちゃんがほしいのになかなか授からない、負担の多い体外受精を何回か試みたのに赤ちゃんに恵まれない・・・。そんなつらい思いをしている方々が、今、たくさんいらっしゃいます。1日でも早く妊娠して赤ちゃんをこの腕に抱きたいというのが、みなさんの共通の思いでしょう。

まず、お伝えしておきたいことは、多くの方が不妊治療や不妊鍼灸をいろいろと誤解されているということです。この間違いを正せば、最短1ヶ月で妊娠される方もいるでしょう。

目次

1.自分の身体についてよく知ろう!
1-1.赤ちゃんがほしいと思ったら
1-2.不妊の原因について知ろう(不妊の原因1~8)
1-3.まずは検査を受けよう(血液検査・婦人科特有の検査1~4)
1-4.不妊治療の流れと選択

2.卵子の質をよくして妊娠体質へ!
2-1.不妊治療がうまくいくかは卵子の質にかかっている
2-2.卵子に栄養が行かなくなる3つの理由
2-3.卵質をよくするための5つの条件
2-4.体外受精を試みる人へ
2-5.治療を始めるときの病院選びと転院のポイント

3.妊娠しやすい身体になるための食べ物
3-1.卵質をよくするための5つの条件
3-2.陰と陽、あなたはどの体質?
3-3.バランスのよい食事で中庸の体質を目指そう
3-4.旬の食材を取り入れて、体質を改善する
3-5.「マクロビオティック」という考え方

4.あなたの妊娠スケジュールを立てよう
4-1.家族の形を考えた妊娠スケジュール
4-2.2人目の赤ちゃんになかなか恵まれない場合は

5.まとめ

1.自分の身体についてよく知ろう!

1-1.赤ちゃんがほしいと思ったら

不妊の原因というのは、人によってさまざまです。ただ、不妊治療に関していえば、2つのアプローチがしっかりできれば、妊娠への道にぐっと近づくことができると私は考えています。そのアプローチとは、次の2つです。

1)西洋医学的なアプローチ

しっかりとした検査結果にもとづき、技術と設備と説明がしっかりしたクリニックで不妊治療を行うこと。

2)不妊鍼灸(東洋医学)的なアプローチ

自分の体質を改善することにより、卵子の質をよくすること。

西洋医学と不妊鍼灸(東洋医学)のアプローチの両輪がしっかりかみ合うことで、赤ちゃんを授かることができるのです。

1-2.不妊の原因8つのケース

妊娠を難しくしている原因は、女性側に1/3、男性側に1/3、そのほか原因不明が1/3といわれています。

妊娠を望んでから1年以上赤ちゃんができない場合は、年齢を問わず早いうちに夫婦そろって検査を受け、対策を練る必要があります。

不妊の原因は大きく分けて、8つあります。

1)卵管に障害があるケース

卵管は、卵子や精子の通り道です。卵子と精子が受精したのち、受精卵もここを通ります。卵管はとても狭いので、炎症などがあると詰まったり狭くなったりして、妊娠を妨げます。これらを卵管閉塞(らんかんへいそく)、卵管狭窄(らんかんきょうさく)と呼びます。

2)排卵に障害があるケース

排卵障害は、おおもとにストレスがあると考えられ、東洋医学でストレスを受けた体のケアをして改善できます。

3)子宮に障害があるケース

子宮筋腫や、そのほか子宮の粘膜にポリープができてしまうことで、受精卵が着床しにくくなる場合。

4)免疫の問題があるケース

何らかの免疫異常で、身体に精子を受け入れない抗体(抗精子抗体)を女性が持っている場合。

5)卵子の膜を通過できず、受精できないケース

卵子、精子とも健康なのですが、受精がうまくいかないことがよくあります。卵子の膜が固い場合や、精子の側の問題があります。

6)男性側に障害があるケース

性行為や射精がうまくいかない性機能障害と、「無精子症」、「乏精子症」、「精子無力症」などの精子の状態の問題の2つに分けられます。

7)不育症

妊娠はするけれども、流産を繰り返してしまう状態。

8)原因不明のケース

その他、障害となる因子が検査で見つからない場合。

1-3.必ず受けてほしい検査4つ

病院によっては必要な検査をしないままに、タイミング法の指導などをされるだけで終わってしまう場合もあるので、注意が必要です。

時間を無駄にしないためにも、早い段階で検査が受けられるように、病院側へ働きかけましょう。または、必要な検査をしてくれる病院を選びましょう。

血液検査でホルモンの数値を測るのは不妊治療の基本になります。

必ず受けてほしい検査は次の4つです。

1)ホルモン数値の検査
  • FSH(卵巣刺激ホルモン)・・・卵巣の発育をうながす。
  • LH(黄体形成ホルモン)・・・成熟した卵子の排卵をうながす。
  • E2(エストラジオール)・・・子宮内膜を厚くする作用をもつ。LHサージをうながす。
2)AMH(残りの卵子の数がわかる検査)

卵巣内の卵子の数は生まれた時に決まっているので、一度減ってしまうと、体質を変えても増やすことはできません。 AMHの検査は、治療方針を決める大事な検査ですが、どこの病院でも受けられるわけではありません。

3)フーナーテスト

性交渉のあとの子宮頸管粘液の中にある精子の状態を調べる検査です。

結果○ ⇒ 人工授精は不要
(ただし、精子の異常の可能性があったり、子宮頸管粘液が膣内にとどまらないなどの症状がある場合は、人工授精が検討されます)

結果× ⇒ タイミング法を試しても妊娠は難しく、人工授精か体外受精をしなければいけない。

4)子宮卵管造影、卵管通水検査

子宮の入り口から造影剤を流し、レントゲンで子宮の形や卵管の通りなどを調べる検査です。痛い検査と思っている人も多いですが、最近では造影剤の刺激が少ないため、異常がなければあまり痛くないはずです。

1-4.不妊治療の流れと選択

子宝レッスンを実践した場合の図

上図は、一般的な不妊治療のプロセスと、不妊鍼灸(東洋医学)にもとづく「子宝レッスン」を併用して最短ルートを歩んだ場合とを比較したものです。一般的な不妊治療の場合、タイミング法 → 人口受精 → 体外受精と徐々にステップアップしていくと、1年以上かかることもあります。しかし、「子宝レッスン」を併用した場合、卵子の質を上げ、妊娠しやすい身体になっていきます。その場合、1ヶ月程で改善し、自然妊娠したり、3ヶ月から1年ほどで体外受精が上手くいくことが多くあります。

2.卵子の質をよくして妊娠体質へ!

「卵質」は西洋医学の治療法によって左右されることもありますが、たいていは、その人の生活習慣によってつくられています。「卵質」がよくなれば、体外受精だけでなく、自然妊娠も人工授精もうまくいきやすくなります。

2-1.不妊治療がうまくいくかは卵子の質にかかっている

不妊治療に不妊鍼灸(東洋医学)が果たす役割はいくつかありますが、特に重視しているのは卵子の質の改善です。病院の技術や手法の問題を別にすると、体外受精がうまくいかない理由のおおもとには、卵子の質の問題があると考えていいでしょう。もちろん、卵子の質が悪いと、タイミング法や人工授精も同様にうまくいきません。

「卵子」は、年齢とともに染色体異常が増え、卵子の質が低下します。
38歳ごろからは減少のスピードが顕著になります。卵子が新しくつくられるということはありません。

また、おおむね35歳を過ぎると、卵子の質が変わります。卵子の質の変化には2種類あります。

1)染色体異常の発生率が高くなり、それによって受精後の卵子がうまく育たなくなって妊娠しない、
もしくは流産が多くなるという現象です。
⇒ 染色体異常に関しては、これを防ぐ方法は、残念ながらありません。

2)卵子の質が悪くなることによって受精しにくく、妊娠しにくくなるという現象です。
これが、女性の年齢が高くなると、不妊になる人が多くなる原因です。
改善できます。体を健康にすることで、元気をなくしかけた卵子を妊娠可能な状態に戻すことができるのです。

★ 卵子の質は生活習慣を変えることでよくなる

一般的に、卵子の質は年齢とともに衰えていくと考えられていますが、それ以上に大きいのが、それまでの生活習慣です。気づかないまま、卵子に栄養がいかない生活習慣をしていて、それが積もり積もって、不妊につながっていきます。

★ 体質を知ることが卵質改善の近道に

これから、卵質を改善するための方法をいろいろ紹介しますが、「いちばん大切なことは、1人ひとりが自分の体の個性を知ること」です。正しい西洋医学の治療と、東洋医学のケアを選ぶことができれば、3ヶ月~1年ほどで妊娠できるはずです。

2-2.卵子に栄養が行かなくなる3つの理由

理由1.血液の質が悪い

卵子の質をよくするには、卵胞液の栄養状態がカギです。栄養状態をよくするには、栄養バランスの整った、良質な血液が卵巣へ、卵巣から卵胞に送り込まれる必要があります。

理由2.消化機能が悪くなっている

正しいバランスで食事をとっていたとしても、消化機能が衰えていると、栄養を十分に吸収することができません。便秘や胃もたれ、食欲不振などの症状は、消化器官の疾患もありますが、自律神経の乱れによる影響も大きいのです。

理由3.毛細血管の血流が悪い

正しいバランスで食事をとり、消化器官が働いていたとしても、それを運ぶための血流が悪くなっていると、体のすみずみまで栄養を届けることができません。こういった状態を血流障害といいます。

2-3.卵質をよくするための5つの条件

1)体質に合った食材を選び、食生活を改善する

当院ではマクロビオティックの考え方に基づく「陰陽」のバランスを基準にお伝えしています。人間の体質には「陰性」と「陽性」の2つの体質があり、それはその人がふだんどんな食べ物を食べているかによって変化します。

「陰タイプ」と「陽タイプ」では外見も、かかりやすい病気も違います。陰陽の中間にあたる「中庸」というタイプ。この「中庸」のタイプは、「陰」と「陽」が、ほどほどにあるということです。この状態がいちばん健康的です。

人間の血液はおおむね120日で入れ替わります。自分の体に合った食生活に変えて、消化吸収機能障害や自律神経などの問題がなければ、120日で卵子の質も変わります。

2)胃腸の調子を整えて、消化吸収をよくする

消化機能がよく働くのは、副交感神経が高まっている状態=リラックスしている時です。仕事や人間関係のストレスがあると、心も身体も緊張状態になり、交換神経優位の状態が続きます。そうすると、胃腸の働きが悪くなり、食欲不振になります。

3)血流をよくして卵子に栄養を送る

卵子の質の低下でいちばん深刻なのは実は、血流障害です。なぜなら食事の改善や消化吸収機能の向上よりも、改善に時間がかかるからです。

4)ホルモンバランスを整える

ホルモンバランスの乱れ=排卵のタイミングの乱れともいえます。

5)免疫力をほどよく保つ

せっかく身体に取り入れたものも、病気の部分を治すことに使われ、細胞まで届かなくなります。
低体温の人は体温を1℃上げましょう。世間では、妊活=温め、というイメージがあるようですが、誤解しないでほしいのは、体を温めて体温を上げたほうがいいのは、体温が低く免疫力が低い人の場合だということです。

2-4.体外受精を試みる人へ

不妊治療中の方の中には、体外受精を何回も試みているという方が多くいます。金銭的にも肉体的にも負担が多い状況だと思います。

私の鍼灸院に来る方に正直にお伝えしているのは、同じ病院で4回以上体外受精を繰り返してうまくいかない場合、そのままでは妊娠する可能性は低いということです。

体外受精というのは、病院によって排卵誘発の仕方が違います。個人のホルモンやAMHの数値によって適した誘発方法をその都度調べたらいいのですが、たいがいの病院ではその病院が得意とすり誘発方法しかとられていません。患者さんに合わせた治療法がなかなかできていないのが現状なのです。

病院の治療が合ってない?転院以外にできること

もうひとつの方法は、不妊鍼灸(東洋医学)の体質改善で病院の治療に“身体を合わせる”ということです。

西洋医学の薬は標準的な体質を想定して、量が想定されています。この標準的な体質とは不妊鍼灸(東洋医学)で言う「中庸」です。

つまり、「中庸」の体質になれば、医師がねらった通りに薬が効きますが、中庸から遠い体質だと薬が思った通りに効きづらく、治療に時間がかかってしまいます。「中庸」の体質になるだけで、治療がよりスピーディに進むようになるのです。残り時間が少ない人にとっては、これは非常に重要です。

2-5.不妊治療の病院選びと転院のポイント

1)初診は検査を早くしてくれる病院を

不妊治療は、スピードが大切です。
不妊治療の基本である、月経周期3日間の血液でホルモン値を測るD3検査。事前で検査している病院であれば、結果は即日知ることができます。そうすると、検査結果を活かした治療がすぐに始められるのです。

2)卵子の残りの数を推測するAMHという検査をしてくれるか?

先を見据えた不妊治療をするためにとても大切ですが、これもどこの不妊治療病院でも受けられるわけではありません。

3)卵管造影検査

卵管に異常がないかを調べる卵管造影検査は、とても大切です。卵管が詰まっている場合は、タイミング法や人工授精では妊娠できないので、すぐに高度な治療を検討しなければなりません。

必要な設備がないとあっという間に数か月~1年が無駄になってしまいます。困ったことに、HPなどでは検査に関する情報はあまりオープンにされることはありません。電話で直接問い合わせてみるのがいちばんです。 窓口でしっかり対応してくれるかどうかで、病院の雰囲気がわかります。

3.妊娠しやすい身体になるための食べ物

良質な血液は、体を治す力が強く、不調も起きにくく免疫の状態がよいので、妊娠しやすい健康な体になります。

3-1.血液の質のカギを握るのは!?

良質な血液とはなんでしょうか?
それは、ナトリウムとカリウムのバランスがとれた血液のことです。

ナトリウム、カリウムはどちらも大切な栄養素ですが、体の中でちょうどいいバランスを保つ必要があります。体の中でちょうどいいバランスを保つ必要があります。それが、

ナトリウム1:カリウム5

というバランスです。

3-2.陰と陽、あなたはどの体質?

マクロビオティックというとみなさん、どんなイメージをお持ちでしょうか。アメリカで人気、肉や魚を食べてはいけない・・・と、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、実はマクロビオティックは明治時代に日本人が考えた「食養生」がその起源です。その後アメリカにわたってその健康効果が広まるようになりました。

だから、マクロビオティックでいいとされている食材は、玄米やみそなどの発酵食品、豆類、雑穀など、日本人が伝統的に食べてきた食材です。

マクロビオティックでは、すべてのものに陰陽があると考えられています。人間の体質についても同様です。

あなたはどのタイプの顔をしているか、セルフチェックしてみましょう。

陽性の肥大

陽性が肥大しているタイプです。体力があり、若いころはバイタリティがあって、妊娠しやすいでしょう。ただ、暴飲暴食の傾向があるので、年をとるとともに心臓、肝臓、腎臓などに不調を抱え、妊娠しにくくなります。

陽性の委縮

陽性が委縮しているタイプです。体は縮まっており、筋肉質。元気はありますが、こだわりが強く、協調性がないガンコな性格です。

中庸

陰陽のバランスがとれた理想の健康体です。体型は、ほどよく筋肉がついており、顔色も良好。朝の目覚めはよく、食欲があり、多少のことでは疲れは感じません。気分も穏やかで安定しています。いちばん、妊娠しやすい状態です。

陰性の肥大

陰性が肥大している人は、顔が青白い人です。水分が多く、脂肪もたまっているので、体はぽっちゃりとし、ややむくんだ印象があります。食事は甘いものが好きでしょう。動作はゆったりしていて、性格は控えめ、やや消極的なタイプです。

陰性の委縮

陰性が委縮しているタイプは、陰陽どちらも不足している人です。食べてもあまり栄養にならないので、体は細く元気がない印象。性格的にも無気力になりがちです。

※拙著「赤ちゃんがやってくる 子宝レッスン」のP.62~P.63に挿絵付きで説明していますので、よろしければ参考になさってください。

3-3.バランスのよい食事で中庸の体質を目指そう

実は、陽の体質とは、ナトリウムが多い体質の人のことです。食生活では、動物性たんぱく質の摂取が多かったり、塩分の多い食生活をしています。反対に野菜中心で動物性たんぱく質が少ない人は、陰性の体質です。

ナトリウムとカリウムのバランスをよくするということは、タイプ別でいうと「中庸」を目指すことになります。体質が中庸になると、血液の質がよくなり、健康になります。

厳密には、中庸の身体でないと妊娠しにくいのかというと、そうとも言い切れません。陽体質の人は、若いときはエネルギーがあふれていて元気なので、自然妊娠しやすいのです。

ではなぜ、中庸の体質を目指す必要があるのでしょう。実は、中庸の体質というのは、西洋医学で想定されている平均的な人体像と重なるからです。つまり、中庸=平均的な身体になると、西洋医学のいろんな薬が適切に効くようになります。つまり、体外受精に必要なホルモン剤も医師のねらい通りの効果を上げるようになり、結果、不妊治療がスムーズに進むことになるのです。

このことが、「病院の治療に体を合わせる」ことにつながるのです。

具体的にどういったものを食べていけば中庸につながるかについては、拙著「赤ちゃんがやってくる 子宝レッスン」のP.68~P.69に「食品の陰陽と食べ方の目安表」でわかりやすく説明していますので、よろしければ参考になさってください。

3-4.旬の食材を取り入れて、体質を改善する

陰陽の体質に合った食事と並び、体質改善に大切なのは、旬の食べ物を食べることです。特に、高温多湿で四季の変化がはっきりしている日本において、食事と健康は強く関係しています。

これを「身土不二(しんどぶじ)」と言います。自然の中で育った旬の野菜は、栄養が豊富です。味も濃く、力強く感じられます。そういった野菜から、ビタミン・ミネラルをとることと、サプリメントで効率的に栄養を補うことは、栄養素的にみれば同じように感じられますが、実際に旬の野菜を食べれば、体に与えてくれるパワーが、違ってきます。

3-5.「マクロビオティック」という考え方

血流を良くして、組織の細部にまで血液を流す事は鍼治療の得意技ですが、 いくら細部に新しい血を流し、再生させたとしても、質のいい血液でないとまたすぐに滞ってしまいます。

これが、鍼灸が人によっては2-3日しか効果が続かない所以と考えました。 数回の鍼治療で全く別人になる(大げさかもしれませんがこう言ってくださる方もいらっしゃいます) こういう方はその人に合った食事をしているのだなあと気付きました。

滞った気の流れをほどき、 流通させてあげると本来なら病気は次第に陰をひそめて、治癒に向かいます。 自然治癒といわれるものです。

治癒に向かってもまた悪くなる人がいるのはなぜか?  

結局、体を作っているものは体に取り込んだもの。 水に代表される液体、空気、食物です。 いい水で作られた飲み物、食べ物。また、その方にあった質や量がやはりあるのです。

血液を滞らせない食事を勉強していくと マクロビオティックという考え方になるのです。

マクロビオティックの大本は東洋医学なので、どちらが先かというと東洋医学、3000年以上昔の中国医学なのですが、陰陽に特化して考えられたのがマクロビオティックだと感じます。正確には食養生の一派なのですが、細かなところまで妥協しない徹底したこだわりをもって、体を見つめるという観点から鍼灸治療ととても相性が良いです。

鍼灸(不妊鍼灸)といってもいろんな流派、考え方があるので全部ではありませんが、少なくともsekimura鍼灸院との相性はとても良いです。

気血の流れを良くしても(川の清掃をしても)、良く無いものを身体に入れ続けたら(川に家庭ゴミを投げ込んだら)、きれいな血にはなりません(臭い濁った川になります)。からだはいつも清掃をしているのですが(睡眠時間の確保が必要です)大量のゴミが流れ着くともう無理…となります。  

「きれいな血を造り、滞り無く細部に届けること」卵胞に「きれいな血を造り、滞り無く細部に届けること」が力の強い卵子を育てるのではないでしょうか。染色体の劣化は止められないでしょうが、生命力のある卵子はこうやって作り出せると思います。 いい卵子がでてくるのを待つのではなく、その確立を上げる努力が必要なのです。

原因不明のAMHの低下などは数年に及ぶ子宮や卵巣内血流量の低下が原因ではないかと疑っています。

4.あなたの妊娠スケジュールを立てよう

不妊治療というのは、場合によっては大変時間がかかるものです。そして、妊娠期間というのは通常280日といわれています。ただ、女性が妊娠できる年齢はある程度の限界があります。

ですから、不妊治療の病院を選んだり、転院する場合は、「今、赤ちゃんが欲しい」という気持ちだけではなく、その先の家族計画にも目を向けてほしいと私はお伝えしています。

つまり、「子どもは何人ほしいのか」「子どもの年齢差は何歳がいいのか」を考えるということです。

4-1.家族の形を考えた妊娠スケジュール

33歳の女性の場合

早めに体質改善すれば3人の出産も可能
30代前半に不妊治療を始めれば、時間に余裕がありますし、卵質の問題も少ないでしょう。タイミング法を試みたあと、西洋医学の治療や不妊鍼灸(東洋医学)の体質改善に時間をかけたとしても、1~2年内に赤ちゃんを授かる可能性は高いと思います。そこから2年おきに妊娠すれば、40歳手前で3人のお母さんになることも可能です。

出産後は育児ストレスや生活環境の変化があります。第2子以降も、自律神経の乱れや血流障害などの体質改善が必要な人はいますが、一度妊娠しているということは、体質改善が可能ということなので、安心してください。

38歳の女性の場合

妊娠の年齢リミット42.5歳を意識して準備を
最近は、30代後半から不妊治療を始める人が増えています。その場合、かなり時間が限られてくるのがおわかりになるかと思います。不妊治療で成功が見込める年齢の上限は、おおむね42.5歳です。実際、私の患者さんでも42歳で来院された方は8割近く妊娠されていますが、43歳だと2割近くまで妊娠率が下がります。

40歳近くで子どもが2人ほしい方には、受精卵の凍結をおすすめしています。体外受精した受精卵を複数凍結し、希望のタイミングでおなかの中に戻す方法です。

現在では、一般的な治療ですが、対応している病院を最初から選ぶ必要があるでしょう。

41歳の女性の場合

すぐに体外受精と受精卵の凍結を検討するのがおすすめ
41歳で不妊治療を始めると、妊娠できる期間は非常に限られています。すぐに体外受精に進んだほうがいいでしょう。次に妊娠できる年齢は早くて43歳です。体外受精が成功する確率がぐんと下がるので、最初から受精卵の凍結に対応している病院を選びましょう。

卵子はエイジングしてしまいますが、子宮の妊娠機能は43歳過ぎても問題がないといわれています。卵子提供によって、60代でも妊娠した例があるほどです。43歳以上で妊娠している例も現実にはありますが、母子両方の身体のことを考えた場合、1歳でも年齢が若いときにできる手は打っておきましょう

4-2.2人目の赤ちゃんになかなか恵まれない場合は

すでにひとりお子さんがいらっしゃって、2人目希望の方で、私の鍼灸院を訪れる方も、大勢いらっしゃいます。

過去に、当院で施術を受けて妊娠され、2人目がほしい方は、比較的楽に治療が進められます。一度体質改善に成功して妊娠されているわけですから、そのときの身体の感じを思い出してもらえれば、スムーズです。

1人目は自然妊娠、2人目がなかなかできないという方もいらっしゃいます。理由はさまざまです。

しかし、1人目を生んだ時よりも当然年齢が進んでいますから、卵子の質の低下も大きな問題です。

すでにお子さんをお持ちの方も、「一度できているから大丈夫」とは思わず、早めに2人目を計画した方が安心でしょう。不妊治療のスタートも早めに始めるに越したことはありません。つまり、1人目の不妊の時と同じように、さまざまな取り組みをスピーディに行うことです。

2人目の不妊の場合、1人目の不妊のときよりは、気持ちに余裕を持って取り組めそうですが、必ずしもそうはいかない場合が多いようです。問題は、1人目の子どもに合わせた不規則な生活時間や、家族の都合や好みに合わせた、偏った食生活などかもしれません。働くお母さんの場合は、仕事、育児、家事をこなすための睡眠不足などが考えられます。

育児をがんばりすぎずにストレス解消を。

2人目希望の方は、毎日の中ではあまりがんばりすぎないでほしいと思います。

たまには、子どもの食事はレトルトやお惣菜にして、自分が本当に食べたいものを食べる。家事が残っていても、疲れているなら子どもと一緒に寝てしまう。そんなふうにして、体からの声に従うことで、妊娠が近づくのではないでしょうか。

子育てを楽しみながら、あまり焦らずに過ごしてほしいと思います。

5.まとめ

治療をしていて感じることは、妊娠はメンタルの影響が大きいということです。時間に余裕を持ち、心を落ち着かせた方が妊娠しやすくなります。

妊娠できる身体を作るのは、自分の体質に合った食事、それを受け入れる臓器、それをくまなく全身に送る循環器、そしてそのために必要なことを実行する心のコントロールです。

あなたがコントロールできるものだけに焦点をあてて、じっくりと数か月腰を落ち着かせて取り組んだなら、きっと赤ちゃんがやってくると思います。

拙著「赤ちゃんがやってくる 子宝レッスン」では、他にも「よい卵子をつくるためのセルフケア」や「妊娠の確率を上げるツボ押し&お灸」についてイラスト入りで詳しく説明しています。よろしければ参考になさってください。

あなたのもとにかわいい赤ちゃんがやってくることを心から応援しています。

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